小上がり畳は必要?後悔しないための考え方と使い方 "ただの段差"にしない設計とは

小上がり畳

小上がり畳は必要?後悔しないための考え方と使い方
"ただの段差"にしない設計とは

― 暮らしやすさから考える、後悔しない家づくり ―


こんにちは。mty style 家づくりアドバイザーの岩田です。

大阪・兵庫・京都を中心に、300社以上の工務店の現場を見てきた経験をもとに、暮らし始めてから実感する「住まいのリアル」や、後悔しない家づくりの考え方をお伝えしています。

家づくりを進めていく中で、「これって本当に必要?」と判断に迷う間取りや設備は意外と多くあります。

その中でも、多くの方が一度は検討されるのが、リビングの小上がり畳です。

小上がり畳は、空間に変化が生まれて便利そうに見える一方で、「実際どれくらい使うのか」「ただの段差にならないか」と不安に思う方も少なくありません。

実際にさまざまな家づくりの現場を見ていると、毎日のように使われている家と、ほとんど使われず"ただの段差"になってしまっている家には、はっきりとした違いがあります。

この違いを生むのは、デザインや広さではなく、「どんなシーンで、誰が、どう使うのか」まで想定して設計されているかどうかです。

この記事では、小上がり畳が本当に必要かどうかを判断できるように、向いている人・向いていない人の違い、実際の使い方、後悔しないための設計ポイントについて分かりやすく解説します。

                                                              

目次

小上がり畳とは?和室との違い

小上がり畳とは、リビングの一角を30〜40cmほど高くして畳を敷いたスペースのことです。

独立した和室との違いは、「空間の使い方」にあります。
和室は壁や扉で仕切られた個室として使われるのに対し、小上がり畳はリビングとつながったまま使えるのが特徴です。

そのため小上がり畳は、部屋を増やすのではなく、リビングに新しい役割を持たせる設計といえます。

違いを整理すると、以下のようになります。

比較項目 小上がり畳 独立した和室
空間の繋がり リビングと一体 壁や扉で仕切る(個室感)
主な役割 腰掛け・子供の遊び場・家事の作業台 客間・趣味スペース・寝室
収納力 床下収納が作れる 押し入れが必要
段差 あり(30〜40cmが主流) 基本的にフラット

小上がり畳が向いている人・向いていない人

小上がり畳は便利ですが、誰にでも向いているわけではありません。 設置前に「自分たちの暮らしに合うか」を整理しておくことが重要です。

向いている人 向いていない人
子供が小さい家庭(遊び場や勉強スペースに活用) フラットな床で生活したい人
リビングで腰かけや休憩スペースを作りたい人 段差による転倒や掃除の手間を避けたい人
家事動線の一部として活用したい人(作業台、洗濯物置き場など) 完全に和室として独立した空間がほしい人

この表を参考に、自分たちの生活スタイルや家族構成に合わせて判断すると、後悔を防ぎやすくなります。


小上がり畳が向いている人・向いていない人

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小上がり畳は設置するだけでは"ただの段差"になってしまうこともあります。
誰が、いつ、何のために使うかをイメージして設計すると、暮らしに便利なスペースとして活用できます。

時間帯・シーン 活用例
朝の身支度や朝食準備の合間に、子供のおむつ替えや着替えをしながら座れるスペースとして活用。ちょっとした荷物や衣類も置けるため、作業がスムーズ。
洗濯物をたたむ、アイロンをかけるなどの家事作業台として使用。
午後 読書や趣味の手仕事などの趣味スペースとして活用。日差しを取り入れやすい窓際に設置すると快適。
夕方〜夜 家族が集まったときの腰かけスペースや、お昼寝スペースとして使用。子供の宿題スペースにも。
収納活用 床下収納を設置して、季節の衣類や子供用品、遊び道具などをまとめて収納。
来客時 簡易的な宿泊スペースとして活用。布団やマットを敷けばゲストが寝られるスペースになるため、急な宿泊にも対応可能。

ポイントは、設置段階で「誰が・いつ・何のために使うか」を具体的に想定することです。
こうすることで、日常生活で頻繁に使われるスペースとなり、ただの段差で終わらず、暮らしに寄り添った小上がり畳になります。


小上がり畳の実際の使い方・活用例

小上がり畳は便利ですが、設置を間違えると「ただの段差」と化してしまうこともあります。後悔しないためには、以下の点を具体的に検討することが重要です。

◆ 段差の高さ

一般的には30〜40cmですが、家族構成や用途によって最適な高さは変わります。

・子どもがよく遊ぶ → 25〜30cm(安全で上り下りしやすい)

・大人が腰掛ける用途が多い → 30〜40cm(椅子のように座りやすい)

・高齢者がいる → ステップ併用を前提に検討

高さが合わないと使われなくなる原因に。使いやすさを左右する最重要ポイントです。

◆ 収納スペースの有効活用

床下収納をつくる場合は、高さ・奥行き・収納量・収納物を事前に想定しておくことが大切です。

・頻繁に使うもの(おもちゃ、季節家電、布団など)を入れる前提で設計

・開けやすさや動線に沿った配置で、使われない収納にならないようにする

収納が使いにくいと"開けない→使わない→ただの段差"になりがちです。

◆ リビングとの動線

設置位置を間違えると生活動線の邪魔になり、使われなくなることがあります。

・ソファやダイニングとの距離

・通り道を塞がないか

・テレビとの位置や見通し

"そこに行きたくなる位置"にあることが、自然と使われる小上がりの条件です。

◆ ライフスタイルとの相性

小上がり畳は"目的がある人"にこそフィットします。

・お昼寝

・子どもの遊び場

・家事作業

・くつろぎスペース

・来客対応

何を優先するかで広さ・高さ・収納の有無が変わります。目的が曖昧だと使われない可能性が高いです。

これらのポイントを押さえ、設置前に家族の生活スタイルをシミュレーションすることで、ただの段差ではなく、暮らしに役立つ"小上がり畳"として活用できます。


小上がり畳を取り入れた住まいの一例

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住まい手さまが小上がり畳に求められたのは、和室を増やすことではなく、毎日の暮らしの中で自然に使える"もうひとつの居場所"でした。

朝は、朝食の準備や身支度の合間に、お子さまのおむつ替えや着替えをさっと済ませられる場所として。リビングにいながら目が届くため、慌ただしい時間帯でも動きに無駄がありません。

昼は、洗濯物をたたんだり、少し物を置いたりできる家事スペースとして活躍。床に直接座るよりも動作がしやすく、日々の小さな負担をやわらげてくれます。

夕方から夜にかけては、家族が自然と腰掛けたり、くつろいだりできる場所に。お子さまの遊び場や宿題スペースとしても使いやすく、リビングの過ごし方に奥行きが生まれます。

採用したのは、空間になじみやすく、すっきりとした印象をつくる床暖房対応の琉球畳。見た目の美しさだけでなく、日常の使いやすさにも配慮したことで、"ただの段差"では終わらない小上がり畳になりました。

暮らしの流れの中に自然と役割があるからこそ、この小上がり畳は、家族にとって無理なく使い続けられる居場所になっています。

 


まとめ|小上がり畳は「使う目的」が明確なら、暮らしに役立つ空間になる

小上がり畳は、見た目のおしゃれさや何となくの便利さだけで採用すると、使われないまま"ただの段差"になってしまうことがあります。

一方で、誰が・いつ・何のために使うのかが明確になっていれば、子どものおむつ替えや着替え、家事の作業スペース、家族のくつろぎの場、来客時の対応スペースなど、暮らしの中で自然に役割を持てる場所になります。

後悔しないために大切なのは、広さや見た目よりも、使うシーンを先に考えることです。段差の高さ、収納の使いやすさ、リビングとの動線、家族のライフスタイルまで含めて設計できていれば、小上がり畳は暮らしにしっかり馴染みます。

「何となく欲しい」ではなく、この場所でどんな時間を過ごしたいかまで具体的に描けるかどうか。そこが、小上がり畳が必要な家と、そうでない家を分けるポイントです。

小上がり畳を検討されている方は、デザインだけで決めるのではなく、毎日の暮らしの中で本当に活きるかどうかを基準に考えてみてください。

  

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この記事を書いた人:岩田(いわた)|家づくりアドバイザー

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以前は住宅業界のアドバイザーとして、大阪・兵庫・京都を中心に近畿圏の工務店300社以上の家づくりを裏側からサポートしてきました。多くの現場や経営の舞台裏を見てきた中で、一番強く感じたのは「建てる側の知識ひとつで、お客様のその後の暮らしが180度変わってしまう」という現実です。カタログ上の数字だけでは分からない、本当の意味で使いやすい間取りや、10年後に後悔しないための家づくりの考え方。そんな「業界の目利き」としての経験を隠さずお伝えすることで、地元・大阪の皆様の家づくりが少しでも安心できるものになればと願っています。


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